名前をつけよ
2013
紙に鉛筆、ワイヤー、チョーク、寒冷紗等
1100mm×1600mm(各ドローイング) 4枚 8000mm×8000mm(会場)
「中之条ビエンナーレ」/岩本上組集会所、中之条町 群馬
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Installatiom view/名前をつけよ
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Detail/名前をつけよ
中之条ビエンナーレ2013出品作品。群馬県中之条町の岩本上組集会所にて展示。2013年7月—9月まで、中之条町に滞在し制作した。
会場には紙に鉛筆で線を引き続けたドローイングが吊り下げてある。そのドローイングの裏の床には、チョークで生きものの名前が書き込んである。それは会場に行くまでに通る小道にある、生きものの名前の列挙である。
中之条町で民話の語りを聞いた。不思議な話や滑稽話、風刺の隠れた話。語り部は、語ることは抵抗なのだと私に言った。かつては言葉にするということは、未知のものを既知のものへと変えたり、恐怖や苦しみを物語へ変えて克服することであったのかもしれない。
滞在中、私は電灯のない夜の山道を毎日歩いてレジデンスへ戻った。暗闇は何かの影や物音で満ちていた。見えないことはおそろしく、私はうっすらと見えたものを確かめて、物音を聴き分けながら進んだ。知っているものだと分かれば恐怖は消えていくのだった。
そして私は自分の行動が、かつて民話を作った人たちと接続されていることを見いだした。
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